住宅ローン控除とふるさと納税を併用するときの注意点
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)とふるさと納税を併用する場合の注意点を解説。初年度は確定申告が必要でワンストップ特例が使えないこと、限度額への影響の考え方を整理します。
併用はできるが、手続きと限度額に影響があります
住宅ローン控除とふるさと納税の控除は、両方を受けることができます。ただし、併用するときには「手続きの方法」と「ふるさと納税の限度額」の2点で影響が出ます。仕組みを知らずに寄付すると、ワンストップ特例が無効になったり、限度額の見込みがずれたりすることがあるため、事前に押さえておきましょう。
初年度は確定申告が必要=ワンストップ特例は使えません
住宅ローン控除を受ける最初の年は、年末調整とは別に確定申告が必要です。そして、確定申告をした年は、ワンストップ特例の申請をしていても、その申請は無効になります。
つまり、住宅ローン控除の初年度にふるさと納税をした方は、控除の手続きは「確定申告の中で、住宅ローン控除と寄付金控除を両方申告する」形になります。ワンストップ特例の申請書を出しただけで安心せず、確定申告の申告書に寄付金の記載を含めてください。含め忘れると、ふるさと納税分の控除が受けられなくなります。
2年目以降は、勤務先の年末調整で住宅ローン控除を受けられるため、確定申告が不要であればワンストップ特例を再び使えます。
限度額への影響の考え方
ふるさと納税の限度額は、住民税の所得割額などを基礎に決まります。住宅ローン控除は、まず所得税から引ききれなかった分が住民税から控除される仕組みのため、住宅ローン控除の金額が大きい方は、ふるさと納税の限度額が通常の早見表より小さくなる場合があります。
影響が出やすいのは、次のようなケースです。
- 住宅ローンの借入残高が大きく、住民税からの控除額が上限(所得税の課税総所得金額の5%、最高9万7,500円の枠)に達している方
- 所得税額が少なく、住宅ローン控除の多くが住民税側で使われている方
逆に、所得税で住宅ローン控除を引ききれている方は、住民税への影響が小さく、限度額への影響も限定的です。どちらのケースかは人によって異なるため、「住宅ローン控除を受けている年は、早見表の金額を上限いっぱいに使わない」ことが安全策になります。
安全に進めるための目安
住宅ローン控除と併用する年のふるさと納税は、次のような進め方が無難です。
- 限度額シミュレーターなどで目安を把握したうえで、目安より1〜2割ほど控えめな金額を自分の上限とする
- 住宅ローン控除の初年度は、ワンストップ特例ではなく確定申告で手続きする前提で計画する
- 年末調整や確定申告の結果が出たあと、翌年分以降の寄付額を調整する
なお、ふるさと納税の限度額の正確な計算は、所得税率や住民税所得割額、各種控除の組み合わせで変わります。借入額が大きい方や、限度額いっぱいまで寄付したい方は、総務省のふるさと納税ポータルサイトの詳細なシミュレーションや、お住まいの市区町村・税務署で確認してください。
まとめ
住宅ローン控除とふるさと納税は併用できます。注意点は、初年度は確定申告が必要でワンストップ特例が使えなくなること、住宅ローン控除の住民税への控除額が大きいと、ふるさと納税の限度額が早見表より小さくなる場合があることです。併用する年は、寄付額を目安より控えめにし、手続きは確定申告に含める形で進めてください。
寄付の前に、限度額の目安を確認しましょう
限度額シミュレーターを使う